国宝の埴輪は全部で3件

現在、国宝に指定されている埴輪は次の3件です。

国宝出土古墳
挂甲の武人群馬県・太田天神山古墳周辺
綿貫観音山古墳の埴輪群群馬県・綿貫観音山古墳
宝塚1号墳の埴輪群三重県・宝塚1号墳

埴輪全体から見ると国宝に指定された例は極めて少なく、日本を代表する傑作ばかりです。

国宝の埴輪① 挂甲の武人

挂甲の武人

挂甲の武人(けいこうのぶじん)は、日本で初めて国宝に指定された埴輪です。群馬県太田市で1933年に発見されました。

高さ約130cmもあり、甲冑を身に着けた武人の姿を表現しています。

この埴輪が高く評価されている最大の理由は、甲冑の細部まで驚くほど忠実に再現されていることです。

頭部から足先まで甲冑で覆われ、右手には刀、左手には弓を添える姿で立っています。甲冑の小札(こざね)は鉄板を小片に加工し革ひもで連結した構造まで表現されており、古墳時代の武装を知る上で極めて重要な資料となっています。

1974年に埴輪として初めて国宝に指定されました。現在は東京国立博物館で展示されています。

国宝の埴輪② 綿貫観音山古墳の埴輪群

群馬県高崎市の綿貫観音山古墳から出土した埴輪群は、2020年に国宝に指定されました。

この埴輪群の最大の魅力は人物表現の豊かさです。中でも有名なのが「三人童女」と呼ばれる埴輪で、一つの台の上に三人の女性が並ぶ構成は全国でもほとんど例がありません。

  • 三人童女(台の上に女性3人が並ぶ珍しい構成)
  • 甲冑をまとう武人
  • 両手を腰にあてた男子
  • 武器を持つ人物埴輪

髪型や衣服、首飾りなどの装飾品まで細かく作り込まれており、古墳時代の人々の服装や生活文化を知る重要な資料となっています。

現在は群馬県立歴史博物館で常設展示されています。

国宝の埴輪③ 宝塚1号墳の埴輪群

宝塚1号墳の船形埴輪

三重県松阪市の宝塚1号墳から出土した埴輪群は、2024年に国宝に指定されました。国宝指定された埴輪としては最も新しい例です。

最大の特徴は国内最大級の船形埴輪です。全長約140cmにも及び、古墳時代の大型船を立体的に再現しています。

船首と船尾は高くせり上がり、櫂を通す穴や装飾まで細部にわたって表現されています。さらに船上には大刀・威儀具・日傘など王や豪族の権威を示す道具が飾られていました。

現在は松阪市文化財センター はにわ館で展示されています。

なぜこの3件だけが国宝なの?

国宝に指定されるには、歴史的価値・学術的価値・芸術的価値・保存状態のすべてが高い水準で求められます。

  • 挂甲の武人:甲冑表現の技術力の高さ
  • 綿貫観音山古墳の埴輪群:人物表現の豊かさ
  • 宝塚1号墳の埴輪群:船形埴輪の造形美

それぞれが異なる理由で高く評価された結果、国宝に指定されています。

まとめ

現在、国宝の埴輪はわずか3件です。

国宝所蔵先
挂甲の武人東京国立博物館
綿貫観音山古墳の埴輪群群馬県立歴史博物館
宝塚1号墳の埴輪群松阪市文化財センター はにわ館

それぞれが異なる魅力を持ち、日本の埴輪文化を代表する最高傑作として国宝に指定されています。埴輪に興味を持ったら、ぜひ実物も見に行ってみてください。

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