概要
陵墓「大市墓」。奈良盆地東南部、箸中微高地上に築造された全長約276mの前方後円墳。 詳細な調査は行われていないが、後円部径約156m・高さ約26m、前方部幅約130m・高さ約17mで、後円部5段・前方部4段築成と考えられている。表面に葺石が確認されているほか、特殊器台形埴輪や二重口縁壺の破片なども採集されている。周辺の発掘調査で周濠・外堤・墳丘と外堤を結ぶ渡り堤が確認されている。埴輪や周濠出土土師器などから前方後円墳としては最古級にあたる3世紀中頃〜後半の築造と推定されている。 孝霊天皇の娘・倭迹迹日百襲姫命の陵墓として宮内庁が管理しているが、邪馬台国の女王・卑弥呼またはその後継者・台与の墓とする研究者も多い。 2009(平成21)年5月、周濠部出土土師器に付着した炭化物の分析結果から240〜260年頃のものと推定されると発表され、卑弥呼の墓である可能性が高いとされた。科学的裏付けとして評価する声がある一方、慎重な見方をする研究者も多い。 2012(平成24)年、3次元航空レーザー計測の結果、前方部は3段築成であること、段築が側面にも存在すること、後円部頂部に環状の高まりがあることが判明した。同年9月には後円部上段が大量の石を積み重ねて構築されていることも明らかになった。 2013(平成25)年2月、研究者団体の要望を受け宮内庁が立入調査を許可し、15団体16名が墳丘最下段を一周して表面観察などを行った。 2017(平成29)年2月、前方部墳端や周濠推定範囲の一部が国史跡に指定された。 2020(令和2)年1月、ミューオンを利用した内部構造調査の実施が発表された。

